人事録

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SNSを活用した採用活動について

就職活動もSNSの時代

SNSソーシャルネットワークサービス(SNS)を活用した採用活動に、注目が集まっています。
SNSにはFacebookやTwitter、LINEなどさまざまなサービスがありますが、企業が自社の情報を発信するツールではFacebookやTwitterの活用が目立ちます。

Facebookはいいね!ボタンをクリックするだけで同意が表明できますし、コメント欄に意見や感想を書き込んで、相互コミュニケーションが手軽にできるのが魅力です。
実際に就職活動を行っている学生のなかには、就職を希望する企業のFacebookから、人事担当者にコメントを書き込むなどの活動を行っている人もいます。

しかしFacebookやTwitterなどは、好きな情報を好きに発信できるオープンなツールであるため、採用活動に的を絞った利用にはやや不向きだといえます。

就職や採用に特化したSNS

そこで就職活動や採用活動に特化したSNSが登場し、注目が集まっているのをご存じでしょうか。
これらのSNSで最も有名なのが、Linkedinです。
Linkedinは2003年にアメリカで誕生した、ビジネス特化型のSNSです。
利用者がプロフィールを作成し、ユーザーどうしでビジネスマッチングが行えるサービスで、人材を探したり、ビジネスパートナーを見つけたりできます。
また顧客や商談先、専門家などと個別にコミュニケーションが取れるので、特に欧米で盛んに使われています。
今後は日本ででも普及すると予測されており、人事担当者にとっては目を離せないサービスになりました。

そしてもう一つ、Facebookと連動してビジネス提案を行う人材獲得サービスWantedlyも注目したいツールです。
従来のリクルートサイトのように、給与や職歴で採用広告をするのではなく、働きがいや一緒に働く仲間探しに重点をおいているのが、新鮮です。

求人側、求職側がお互いにFacebookを介して情報を閲覧でき、企業訪問に招待したり、求職者にブレーンストーミングに参加を呼びかけたり、一緒に何かを作ったりと気軽な交流を促す環境を提供してくれます。
採用前にお互いが交流することで、採用後のミスマッチングが減るのも大きなメリットです。

若者が望む職場の条件とは?

ジョブウェブが行った調査によると、新卒生が企業を選ぶときに重要視する基準のトップ3は、1.雰囲気や社風、2.自分のやりたいことができるか、3.現場社員の対応でした。
給料を重視するという答えが29%だったのに対し、雰囲気や社風は2倍以上の71%。
現代の若者が就職先に働きやすさや、やりがいを求めていることがわかります。

優秀な人材確保は会社の運命を分ける重要な任務です。
それだけにコストもかかります。
しかし採用にSNSを活用すれば、低コストでマッチングの高い人事採用が実現すると期待できるのです。
導入を検討する価値のあるサービスではないでしょうか。

良いエントリーシートの書き方とは

エントリーシートとは、そもそも何なのか?

履歴書とセットで提出するエントリーシート。
履歴書は学歴や資格を知るためのものですが、それだけでは具体的な能力がわかりません。
そこで応募者の能力や意欲を知るために、エントリーシートが活用されています。

エントリーシートでは応募者の適性、やる気、能力、人柄などを見るのが目的です。
目的を把握して、適切な自己アピールができるよう心がけましょう。
エントリーシートの役割を理解せず、的外れのアピールをすると、エントリーシートを読んだだけで不合格にされてしまう可能性があります。

採用されるるエントリーシートを書くためには、希望する会社がどのような人材を求めているのかを十分に理解し、自分には会社が必要とする能力があることを伝えなければいけません。
私を採用すれば会社のプラスになると、的確に伝えられた人が勝ちです。

質問の目的を考えて書こう

エントリーシートの質問には、すべて目的があります。
あなたの長所は? 
これまでに組織をまとめて成功した体験を教えて下さい。
自己PRをお願いします。
といった質問は、適性や人柄をみるのが目的です。

これらの質問には、客観的に自分を分析して長所を取り上げ、長所であることを示す具体的なエピソードを記入するのが一般的ですね。
しかし良いエントリーシートを目指すなら、もう一歩踏み込んで、企業が求める人材に合致している長所であることをアピールする方法も考えましょう。

志望動機を尋ねる質問の目的は、やる気度を測ることです。
このような質問では、就職先の会社やその業界全体について調べて、会社や業界の可能性、社会貢献性に魅力を感じた点を伝えます。
その際に、同業他社と違う点、魅力に感じる点をアピールをすると有効です。
また業界だけでなく、日本経済や世界経済、社会の動きなどから、その会社がどのような位置づけにあるのかをグローバルな視点で分析し、この会社がベストだと感じた点を記載すれば、大きなスケールの中から、我が社が選ばれたことになりますから、喜ばない会社はありません。

エントリーシートの注意点

人気の企業には何百枚ものエントリーシートが送られてきますから、読みやすい内容であることも大切です。
読みにくいエントリーシートは、最悪の場合、目を通してもらえない可能性もあります。
エントリーシートではまず最初に結論を書き、次にその根拠を箇条書きで記載するなど、ひと目で何を言いたいのかがわかる文章を書くように心がけてください。
ダラダラした文章が続き、最後に結論がでてくるようでは、ビジネス文書として失格です。

そして、ケアレスミスにも十分に注意をしましょう。
エントリーシートの提出には送り先や添付書類の指定など、さまざまな指示があります。
指示をよく聞かずに、エントリーシートの送り先を間違う人、指示通りに書いていない人は即、不採用が決定です。
たとえば私書箱宛に送るエントリーシートを総務部宛に送ってしまった、顔写真を貼り忘れた、空欄があるまま提出したなどのレースがこれにあたります。
うっかりミスといえばそれまでですが、相手の話をよく聞いていない人、ルールを守らない人として落とされてしまいます。
ミスがないかしっかりと確認してから、提出しましょう。

外国人から見た日本の就活事情

留学生が感じる日本の就職活動の不思議

国旗ガラケーをはじめ、どこか世界基準とズレている日本の状態をガラパゴス化とからかう声があります。
日本の就職活動も、実はガラパゴス化の典型例ではないでしょうか。

日本で就職を希望している留学生は、日本のここがヘン!と感じるとが多いようで、日本の就職活動についての疑問や意見がインターネットで多数紹介されいます。

ディスコが実施したアンケート調査によると、留学生が日本の就職活動で最も違和感を抱くのは、筆記試験(37.4%)だと答えています。
次いで、リクルートスーツ(32.9%)、就職活動の時期(32.9%)と続きます。

海外では就職試験で筆記試験を採用している企業はほとんどなく、最高学府出身なのに今更筆記試験を行う意味がわからなと感じている留学生が多いことがわかります。

また、日本の企業は何事にもルールが多くて不自由だと感じる人も少なくありません。
リクルートスーツの着用、就活中は髪を黒髪に戻し、就職が内定したらまた髪を染める学生を見て、首をかしげるのが留学生たちです。
海外では常識程度のカラーリングなら、髪を染めているくらいでは不採用にならないのにと不思議がっているのです。

そして、日本のインターンシップも独特だとの意見もあります。
日本はインターンシップの期間が長くて3週間、短いところだと1日しかありません。
海外ではインターンシップは2カ月~3カ月程度行われるのが普通ですから、しっかりとスキルが磨けます。
しかし日本のインターンシップは、スキルアップにはまったく役に立たないと不満の声が出ているのです。

近年では高校を卒業した後に、そのままアメリカの大学へ進学する人も増えています。
〔参考〕高校生のアメリカ留学・大学編入・進学
高校生を対象とした留学支援は様々あるので、日本ではなくアメリカで過ごしスキルアップするというのも今の時代ならではかもしれません。

即戦略を求める外国企業

就職活動の期間が短いのも、日本の特徴です。
日本は就職活動の時期が決められているため、この時期を逃したら、また1年間待たなければいけません。
海外では6カ月~1年程度の時間が設けられているので、時間をムダにせずにすむというのです。

海外ではたとえ新卒者であっても、即戦力となる人材を求めています。
このため新卒採用者よりも、中途採用者が優遇される傾向が強く、最初の就職先は次のステップと考えてるのが一般的です。
しかし日本では、1社で長く働く習慣が根強く残っており、その分従業員に対してルールを多く求める傾向があります。
特に大企業ほどその傾向が強く、留学生は大企業よりものびのびと働けるベンチャー企業に魅力を感じる人も少なくありません。
反面、日本の大学は会社説明会や留学生向けの説明会を開催するなど、就職に関して熱心にサポートしてくれるのがメリットだという声もあります。

このほか、日本人特有の本音と建前に戸惑う留学生の意見もありました。
面接でとても褒められたから、採用だと思って安心していのに落ちていた。
この留学生は、どうせ落とすなら、期待を持たせるようなことは言わないでほしいとの述べています。
人事担当者として、耳が痛い意見です。