人事録

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外国人から見た日本の就活事情

留学生が感じる日本の就職活動の不思議

国旗ガラケーをはじめ、どこか世界基準とズレている日本の状態をガラパゴス化とからかう声があります。
日本の就職活動も、実はガラパゴス化の典型例ではないでしょうか。

日本で就職を希望している留学生は、日本のここがヘン!と感じるとが多いようで、日本の就職活動についての疑問や意見がインターネットで多数紹介されいます。

ディスコが実施したアンケート調査によると、留学生が日本の就職活動で最も違和感を抱くのは、筆記試験(37.4%)だと答えています。
次いで、リクルートスーツ(32.9%)、就職活動の時期(32.9%)と続きます。

海外では就職試験で筆記試験を採用している企業はほとんどなく、最高学府出身なのに今更筆記試験を行う意味がわからなと感じている留学生が多いことがわかります。

また、日本の企業は何事にもルールが多くて不自由だと感じる人も少なくありません。
リクルートスーツの着用、就活中は髪を黒髪に戻し、就職が内定したらまた髪を染める学生を見て、首をかしげるのが留学生たちです。
海外では常識程度のカラーリングなら、髪を染めているくらいでは不採用にならないのにと不思議がっているのです。

そして、日本のインターンシップも独特だとの意見もあります。
日本はインターンシップの期間が長くて3週間、短いところだと1日しかありません。
海外ではインターンシップは2カ月~3カ月程度行われるのが普通ですから、しっかりとスキルが磨けます。
しかし日本のインターンシップは、スキルアップにはまったく役に立たないと不満の声が出ているのです。

近年では高校を卒業した後に、そのままアメリカの大学へ進学する人も増えています。
〔参考〕高校生のアメリカ留学・大学編入・進学
高校生を対象とした留学支援は様々あるので、日本ではなくアメリカで過ごしスキルアップするというのも今の時代ならではかもしれません。

即戦略を求める外国企業

就職活動の期間が短いのも、日本の特徴です。
日本は就職活動の時期が決められているため、この時期を逃したら、また1年間待たなければいけません。
海外では6カ月~1年程度の時間が設けられているので、時間をムダにせずにすむというのです。

海外ではたとえ新卒者であっても、即戦力となる人材を求めています。
このため新卒採用者よりも、中途採用者が優遇される傾向が強く、最初の就職先は次のステップと考えてるのが一般的です。
しかし日本では、1社で長く働く習慣が根強く残っており、その分従業員に対してルールを多く求める傾向があります。
特に大企業ほどその傾向が強く、留学生は大企業よりものびのびと働けるベンチャー企業に魅力を感じる人も少なくありません。
反面、日本の大学は会社説明会や留学生向けの説明会を開催するなど、就職に関して熱心にサポートしてくれるのがメリットだという声もあります。

このほか、日本人特有の本音と建前に戸惑う留学生の意見もありました。
面接でとても褒められたから、採用だと思って安心していのに落ちていた。
この留学生は、どうせ落とすなら、期待を持たせるようなことは言わないでほしいとの述べています。
人事担当者として、耳が痛い意見です。

面接官に必要な心構え

見られてますよ、面接管さん

面接官新卒採用であれ、中途採用であれ、人材確保で避けて通れないのが面接です。
採用試験の最終ステップである面接は、とても重要なミッションです。
ここで適切な判断が下せなければ、優秀な人材をみすみす逃してしまいます。

入社意欲の高い人のなかから、会社にマッチする人材を探すことはとても大切です。
それと同時に、応募時は第三志望や興味がある程度の人であっても、優秀だと思ったら、第一志望にまで相手の関心度を高めることも面接管の大切な仕事です。
この努力を怠ると内定辞退が増えて採用コストが無駄になるうえに、欲しい人材がなかなか確保できないという事態に陥ります。

調査によると、会社に就職しようと思った決め手の2位が面接官だという結果が出ており、
面接官の印象がいかに重要であるかがわかります。

私が上司に教えられ、それに自分なりのアレンジを加えた面接官の心得をご紹介します。
何か使えそうなものがあれば、参考にしてください。

面接管は会社の顔

まず、第一印象に気をつけることです。
だらしない服装は厳禁です。
きちんとしたスーツで髪型を整え、爪は伸びていないか、靴は磨かれているかなど、清潔な印象を心がけます。

なぜなら、面接者は就職希望者にとって会社を代表する人物であるからです。
つまり面接官の印象が悪いと、会社の印象が下がるのです。
そんな事態は避けたいですね。

面接者は大切なお客様

面接に来られた方を、自社に興味をもってくださったお客様として、失礼のないように接することも大切です。
雇ってやるという上から目線は禁物です。
あくまでも対等の立場で、敬意を持って面接します。
自社に興味を持ってくださった方ですから、面接側も相手がどのような方なのかに興味を持たなければ失礼に当たります。

明朗公正であれ

明朗で公正であることも、面接管の最低条件です。
面接に来た人にとって、もっとも気になるのが労働時間や休日、各種手当などの労働条件です。
労働条件について聞かれたときに、人材募集広告の内容と違うことを答えたり、口ごもったりすると、相手に不信感を与えてしまいます。
面接前に広告内容を確認し、間違えないように募集条件などを記載した書類を手元に置いて答えるようにしましょう。
また、入社してから話が違うと不満が出ないように、年度替わりは残業が多いなどのマイナス情報もしっかりと伝えます。
それと同時に、自社で働けばどんなにすばらしいかをアピールすることも大切だと考えています。
つまり、多少の残業があっても、ぜひともここで働きたいと思ってもらえるように頑張るのです。

クロージングは第一印象と同じくらい大切

最後の心得は、第一印象と同じくらいクロージングが重要ということです。
面接が終わった後は、立ってドアまで見送り、採用結果をいつまでにどのような方法でお知らせしますと伝えて、お見送りします。
最後の印象が悪かったら、それまでいくら印象が良くても台無しですから、最後まで気は抜けません。

スムーズな面接のコツ

緊張は悪くない。緊張とどう付き合うかが大切

就職活動で最も緊張するのが、面接ではないでしょうか。
少しでも高く評価してもらい、内定につなげたいと思う気持ちが強いあまり緊張してしまう――こんな経験が誰にでもあるでしょう。
人事部は学生との面接も仕事の一つです。
さまざまな学生と面接してきましたが、面接時に緊張が必ずしも悪い結果を導くことにはならないので安心してください。
緊張しながらも精一杯誠実に、頑張って受け答えをしている学生を見ると、フレッシュですばらしいと感じます。

これから社会に出ていくのですから、面接で緊張するのはあたり前です。
ただ、自分の緊張に飲まれてしまって失敗をした場合、その失敗が頭から離れず、その後の面接がグダグダになってしまうという事態だけは避けたいものです。

面接で大切なこととは?

面接では話す内容も大切ですが、それ以上に言葉を使わないコミュニケーションが大切です。
面接官は第一印象、姿勢、声、目線、笑顔、しぐさなどから、その人の人となりを見抜きます。
まっすぐに伸びた背筋、誠実な目線、ハリのある声、自然な笑顔は、黙っていてもあなたのやる気を面接官に伝えます。
反対に曲がった背筋、ぼそぼそとした声、相手から目線をそらせる、笑わない、貧乏揺すりをするという人だった場合と比べてみてください。
雲泥の差があることがお分かりになるでしょう。

緊張を和らげコツは?

それでも緊張を和らげたい場合は、自分をリラックスさせるアイテムや、自信を持たせてくれるアイテムを持参してはいかがでしょうか。

しかし、第一印象を整えるのは面接のいろはですから面接官に見えるところにラッキーアイテムを身につけるのは禁物です。
たとえば家族や自分が神社でいただいてきたおまもりは、面接官には見えません。
しかしバッグにおまもりを忍ばせておくだけで、心強い味方になってくれるはずです。
また、お気に入りのハンカチ、お気に入りのキーホルダーなど小さなラッキーアイテムを1つ持っていると、面接の前にそれを眺めれば緊張が和らぎ、気持ちが落ち着きます。

あわてて答えなくてもいい

面接官の質問に、即座に切り返すように答えなければと考えて、あわてて答えようとする人もいますが、すぐに答えず、ちょっと間を置いて答えた方が効果的です。
面接管は相手の質問を理解して的確に答えようとしていると判断しますから、あわてずに落ち着いて答えてください。
しかし、そのときも笑顔や姿勢など言葉以外のメッセージには気を配りましょう。

これまで何千人もの人の面接を行ってきたホリエモンこと堀江貴文さんは第一印象は大切、採用するかどうかは、最終的にはフィーリングで決めると語っています。